
私のエイプの左ハンドルスイッチは社外品に交換していますが、ハザードやパッシングの機能はありません。
元々ついてませんでしたし、小さい原付に必要なのかとも思いましたが、山道で進路譲ってもらったり、右折待ちのトラックに進路譲ったりするときとか、あったらいいなと思うことがあったので、ハザードとパッシング機能が付いたハンドルスイッチに交換してみたいと思います。
まずは前編として、ハンドルスイッチの選定と、ハザード機能追加時の注意したい点について解説していきます。
ハンドルスイッチ選定
私のエイプはディスク化の際にJC61グロム後期型のマスターシリンダに交換しています。それに合わせて、左のクラッチレバーも同じグロムのものに交換しています。なので、グロムに合うハンドルスイッチを中心にしてあれこれ探してみました。
そして見つけたのが、ホンダNC700のハンドルスイッチです。NC700は2012年~14年まで販売されてたバイクですね。意外と昔のバイクなんですが、いまだに純正品は手に入るようです。

最近のホンダバイクでよく見る、ホーンが上でウィンカーが下となっているハンドルスイッチです。
このハンドルスイッチ、グロムのハンドルスイッチとスイッチボディが共通で、ハザードとパッシングの機能が省略されたものがグロムに使われているようです。
そのため、見た目純正のまま最小限の配線加工でハンドルスイッチとパッシング機能が追加でき、ウィンカーポジションの機能も残せるのでグロム乗りの間では定番のカスタムとなっているようです。
あと、このハンドルスイッチ、取付ネジがついてないので一緒に購入した方がいいです。私はホムセンで買ってきたM5のキャップネジ付けたら頭がはみ出してしまいました。
ハンドルスイッチ: 35200-MGS-J32 スイツチASSY, ウィンカー
取付ネジ : 90508-MGS-D30 スクリューワツシャー, 5×16
↑がハンドルスイッチとネジの品番です。スイッチは末尾ーJ31が廃盤になって、今出回っているのはーJ32となっています。
ハザード機能追加時の注意事項
純正でハザード機能がない車種にハザード機能を追加する場合、注意事項があります。
1.ウィンカーリレーの定格容量を超えるため、リレーの交換が必要
2.配線の許容電流を超えるため、消費電力の少ないLEDへの交換が必要になる可能性がある
ウインカー関係とハザード機能の回路は動画で説明していますので見てください。
まず、1.のウィンカーリレーですが、純正でハザード機能がない車種の場合はウィンカーリレーの定格容量は左右それぞれの前後2つのウィンカーを同時に点滅させる能力しかありません。
ハザードを使用すると、4つすべてのウィンカーが点滅することになり、単純に2倍の容量が必要になります。だいたいの純正ウィンカーリレーの点滅間隔は、2つを同時に点滅させることを前提に設計されていますので、4つ同時に点滅させると、点滅しなかったり暗かったりハイフラ状態になったりと動作に不具合を起こします。
そのため、ウィンカーリレーの交換は必須となります。
また、ハザードを使用すると通常の倍、4つ同時に点灯するのでウィンカー関係の配線には通常の倍の電流が流れます。
このため、配線の太さごとに決まっている許容電流を超える可能性があります。
ただ、配線の許容電流はマージン見込んだ値ですし、ハザードの場合は常時点灯ではなく点滅だし、そんな長時間使用するものでもないから大丈夫と考えることもできます。
ですが、許容値以上の電流が流れるのはどんな不具合が出るかわからないので、消費電力が少ないLEDへ交換することをお勧めします。
ウィンカー丸ごとLEDタイプに交換するのではなく、中の電球だけLEDへ交換するという手もあります。私のエイプは数年前に全波整流化した際に電球だけLEDに交換しています。
ウィンカーリレーの選び方は下記のようになります。
1.LEDに対応した、ICウィンカーリレー
2.純正と同じ極数(ピン数)のもの
3.100Wぐらいまで対応したワイドレンジだと、配線次第ですが純正球のまま使用できます
どちらにしろ純正ウィンカーリレーからの交換は必要になります。
NC700ハンドルスイッチのパッシング使用時の注意事項
このハンドルスイッチ、ヘッドライト周りの回路自体は特に変わったとこのないフツーなやつだと思うんですが、パッシング使用時にちょっと問題になるところがあります。
動画でも解説しているので、そちらも見てください。
問題点というのが、パッシング使用時(ハイビーム点灯時)でも、ロービームがオフにならず、ハイとロー同時点灯になることです。
というのも、最近のバイクはヘッドライト常時点灯になっているので、ハンドルスイッチはライトオフになるような構造になっていません。
そのため、パッシングを使用すると、ヘッドライトのハイとローが同時に点灯することになります。
通常のハロゲン球なら問題になりません。同時点灯の消費電力に対する配線の太さが問題にはなりそうですが、パッシングは短時間使用だからおっけーという考え方のようです。
問題になるのは、HIDやLEDのように、コントローラーやドライバを使用している場合です。
これらの制御回路が、ハイとローの同時点灯に対応しているかどうかが問題になります。
実際、JC61グロムの後期型からヘッドライトがLEDになりましたが、このグロムにこのスイッチをポン付けすると、ハイとロー同時点灯が問題になって不具合が出るようです。
じゃあどうするのかというと、ハイとロー同時点灯でも大丈夫なヘッドライトにするか、ヘッドライトスイッチを改造するかになります。

ヘッドライトスイッチの分解は簡単にできます。ハンドルスイッチのネジをはずして知恵の輪のごとくどうにかこうにかして押し出し、爪を外すと接点が外れます。
このへんも動画にしてるので見て下さい。

外した接点のうち、パッシング使用時にローの接点と接触するところだけ、削るなりして絶縁すれば、パッシング使用時はハイビームのみ点灯になります。
全部削るとロービームも点灯しなくなりますので注意してください。
画像では、とりあえずの検証としてビニールテープ張ってますが、テープだとすぐはがれるので、接点削ったりパテで埋めたりする必要があると思います。
ちなみに、私のエイプの場合、スフィアライトのRIZINGⅡというLEDヘッドライトを使用しています。メーカーに問合せたところハイロー同時点灯できると確認できたので、スイッチの改造なしで使用しています。
まとめ
NC700のハンドルスイッチを使用してハザードとパッシングを追加する場合のまとめです。
- NC700のハンドルスイッチだと、見た目純正で、配線改造最小限でウィンカーポジション機能生かしたままハザードとパッシング機能を追加できる
- 純正でハザード機能がない車種にハザード機能を追加する場合、ウィンカーリレーの交換が必要で、場合によってはウィンカーをLEDに交換する必要もある
- NC700のハンドルスイッチは、パッシング使用時にハイビームとロービームが同時に点灯するので、ヘッドライト交換するなり接点改造するなり、その問題への対応が必要
後編では、実際に私のエイプにこのハンドルスイッチを取り付けていきます。
コメント